2009年06月

ある女の子がいました。

彼女はこれまでに、2人の男性とお付き合いをしたことがありました。

1人目のカレシも、2人目のカレシも、彼女なりに、心の底から、すきなカレシでした。


大学4年生の夏、彼女は3人目のカレシとお付き合いすることになりました。

でも、そのカレシは、そんなに好きな人ではありませんでしたが、

強くアプローチされるうちに、なんとなく付き合ってもいいかな、と思うようになりました。


そんな気持ちで付き合い始めたので、数ヶ月でお別れしてしまいました。

お付き合いしている間に、何回か、エッチをしました。



彼とお別れして2ヵ月後、これまでのカレシたちは誰もくれなかったような、すごいプレゼントが届きました。


・・・・性感染症の、尖圭コンジローマ、という病気でした。

この病気は、肛門や、膣の周り、ひどいときには膣の中にまで、ニワトリのとさかのような、いぼができます。

このいぼをとる治療として、レーザーで焼くことが行われました。

一度で完治するとは限らず、何度も通院しなければならないこともある。

レーザーで焼いた後は、ヒリヒリと痛む。




彼女は、心の底から、後悔したそうです。


「大好きな彼からもらったとしたって、こんな病気受け取りたくなかったけど・・・ましてや、別に好きでもない相手から、こんなものをもらっちゃうなんて。。。」


もう、本当に好きな人としか、エッチはしない。

彼女は、強く心に誓ったそうです。

27歳でお母さんになった人がいました。

彼女は、5回目の妊娠で、やっとわが子を胸に抱くことができました。



6年前。

出産予定日、40週0日の日に、お腹の中で赤ちゃんが亡くなってしまいました。

常位胎盤早期剥離という状態でした。

彼女自身も、生死の境をさまよいました。

赤ちゃんが生まれる予定の日が、赤ちゃんの命日になってしまいました。



実は彼女は、19歳の時に、中絶を経験していました。

17歳で家出、駆け落ち。

18歳でその彼と結婚しました。

19歳で妊娠。彼女はとっても嬉しかった。

でも、産むことはできませんでした。


実家を出てしまった彼女は、赤ちゃんが生まれたらご主人のご両親に協力してもらわざるを得ません。

その、彼のご両親に、「まだ若すぎるから」と強く反対されました。

彼女は19歳、彼は23歳だったのに。

彼女は泣く泣く、中絶しなければなりませんでした。



実は、彼女は、中学生のときにも、中絶を経験していました。相手は同じ学年の中学生。

このときはさすがに若すぎて、他に選択肢はありませんでした。

中学生だった彼女には、夢がありました。

アイドル歌手になりたくて、劇団に所属していました。

でも、赤ちゃんと同時に、その夢も見失ってしまいました。

その後の彼女は、荒れました。

高校に進学はしたものの、ほとんど通わず、退学。

そして17歳で家出。






6年前の死産のあと、彼女は、早く次の妊娠をしたくてたまらなかった。

「あの人、おなかが大きかったのに、子供を連れていないわね」という、近所の視線が痛かった。

それまで避妊なんて考えたこともなくて、割りにラクに妊娠できていたのに、

不思議なことに、子供が欲しい、と焦れば焦るほど、なかなか次の妊娠はできなかった。



それから3年後。彼女とご主人のこころは、だんだんすれ違っていきました。

そして、離婚。




でも、人生、悪いことばかりではありません。

新しいパートナーに巡り会えました。

彼には、今までの人生も全部打ち明けて、いろんな悩みも相談できた。



まもなく、彼との赤ちゃんを妊娠しました。4回目の妊娠です。

でも、この妊娠は、おなかが大きくなるより前に、流産になってしまいました。

「私は、もう、子供を持つことはできない運命なのかもしれないな」

そう思ったそうです。



産んであげられなかった2つの命と、うまれる前に亡くなってしまった2つの命。

この4つの命の重みに耐え、死産から6年後、彼女はとうとう赤ちゃんを胸に抱くことができました。

今回は、意地でも産んでやる!そんな決意での出産でした。




この壮絶な人生を、「もう笑い話だけどね」と彼女は笑いながら話してくれました。

でも、そのときそのときは、想像もつかないような、

大きなハードルを乗り越えてきたに違いありません。



赤ちゃんにめぐりあえた、今だからこそ、中学生・高校生に何か伝えたいこと、ありますか。

彼女に尋ねてみました。



「人生の中で、どうしても中絶を選ばなければならない時って、あると思う。

でも、中絶って、簡単なことじゃない。

簡単に選んで欲しくない。それだけは伝えて欲しいと思います。」


優しい母の目をした彼女が、赤ちゃんに語りかけるように話してくれました。

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